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ラグレスの電源回路基板設計

1.電源電圧値に見合った部品配置とパターン設計


JIS,PSE,UL,MIL,IEC,ENなど、仕向け地に合致する安全規格に準拠した沿面距離,空間距離の確保。

pwr1.jpg

設計例)
入力DC400V 10A 使用基板
最低沿面距離5.0mm確保
最低空間距離5.0mm確保
内外層銅箔70μm
パターン幅10mm確保

2.電流容量に見合ったパターン設計


使用電流値を考慮した基板銅箔厚,パターン幅,スルーホール径を選定し設計を行う。
原則として、表2.1に記載の各銅箔厚毎の設計ルールを適用する。(銅箔の温度上昇20℃以下)

パターン幅表

銅箔厚は~200μmまで対応可能

原則として表2.2に記載のスルーホール(以下、THと記す。)径毎の設計ルールを適用する。
(銅箔の温度上昇20℃以下)

VIA電流容量

3.電源,GND品質を考慮したパターン設計


①GNDの分離
 電源回路のGNDとその他のデジタル系,アナログ系のGNDを分離する。
 高周波スイッチングノイズが最小となる出力電源用デカップリングキャパシタ付近で1点接続する。
②DCパワーインティグリティ
 電圧レベルが低い電源は、数百mVの電圧降下(IRドロップ)でも許容値を超えてしまい動作不具
 合が発生するため、銅箔面積を広く設け抵抗値を下げる。※1
③ACパワーインティグリティ
 PDNインピーダンスをターゲットインピーダンス内に収めるため、該当のデカップリングキャパシタを適切に配置する。※1
④GNDの電圧変動(グラウンドバウンス)の抑制
 リターン電流の経路と幅を確保。
※1:PI(PowerIntegrity)解析も対応可能。

4.寄生インダクタンスを考慮したパターン設計


ループパターンのインダクタンスを最短にし、スイッチングノイズを低減させる。
例)Linear Technology社製LTC3775を使用したDC/DC

基板パターンの寄生成分を考慮した回路シミュレーション

入力部,SW出力のパターンが細く長く、
寄生インダクタンスが大きい場合
→スイッチング出力にオーバーシュート,アンダーシュート,リンギングが発生し、
ノイズの放射や効率悪化が発生する。

入力部,SW出力のパターンが太く短く、
寄生インダクタンスが小さい場合。
→スイッチング出力に大きな異常は見られ
ず、ノイズの放射や効率悪化が抑制される。

緑色波形:sense
青色波形:1.2V出力
赤色波形:スイッチング出力

寄生インダクタンス
寄生注意

基板パターンの寄生成分を無視した理想的な回路シミュレーション

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